教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

ICTの教育的利用による「効果」として使える変数には何があるのだろう?

ICT CONNECT 21「先導的教育システム実証事業」及び「先導的な教育体制構築事業」成果発表会

 昨日のICT CONNECT 21の「先導的教育システム実証事業」および「先導的な教育体制構築事業」の成果発表会は、非常に興味があったのですが出張と重なったため、Ustreamで見ることにしました。

 会場での参加者が300名超だったそうです。Ustreamの方では110人くらいと数字が出ていたように思います。後日、資料なども公開されるものもあるそうですので、そちらを楽しみにしたいと思います。(Ustreamでは細かくて読みにくかったので…)
ictconnect21.jp


ICTの教育的利用による「効果」として使える変数には何があるのだろう?

 先導的教育システム実証事業/先導的な教育体制構築事業 成果報告のところで、文部科学省生涯学習政策局 情報教育課長の豊嶋基暢氏のプレゼンテーションで述べられていた以下の点に非常に共感しました。文部科学省が公教育というシステムを使ってやるのであれば、絶対に考えなければならないポイントで、どのように進んでいくのか非常に興味があります。

  • いくつかの先進的な事例というのではなく、全国の児童生徒1200万人、先生90万人に広げなければだめだ!
  • 「興味関心が高まった」では効果として不十分だ。

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 言うのは簡単ですが、けっこう難しいところだよなあ、と思っています。アカデミックに考えるのはされている方がたくさんいると思いますので、僕は現場の先生方に、「これってどう思いますか?」と訊ねていこうと思います。

 教育ICTは、「学校を良くする」「授業を良くする」「児童生徒のためになる」というのが目的だと思っていて、では、この「学校を良くする」「授業を良くする」って、どういった要素から成り立っているのでしょうか。

  • 学校を良くする
    • 先生と生徒のコミュニケーション密度が高い
    • 未来に必要なスキルを身につけられる
    • 外部とつながっている
    • クラスメイトと一緒に学ぶ、学習するコミュニティができている
    • 「社会を変えられる」と児童生徒が考えている(Self Esteemがある)
  • 授業を良くする
    • 学力を上げる
      • 上位層を伸ばす
      • 中位層を上位層に上げる
      • 下位層を上げる
      • 微小な変化に気づいてあげて、対応する
    • 先生の授業がわかりやすくなる
      • 先生の方に注意をひかせる
      • 化内容に興味をもたせる
  • 児童生徒のためになる
    • 他の児童生徒の思考を見ることができる
    • 協働で学ぶことで、コラボレーションする楽しみを身につける

 考えていろいろと書いてみましたが、先生方ってもっといろいろなことを考えて教室で教えられているような気がします。例えば、学力中位層の児童が、上位層に上がるときって、急に上がるわけじゃなくて、段階を踏んでだんだん変わっていくと思うんですよね。その「プロセスがどんなふうなものを含んでいるのか」、というのがブラックボックスになっていて、そこを分解して、それぞれのところをICTで強化できないかな、と、Ustreamでプレゼンを見ながら思いました。

 現場にいらっしゃる先生方、「こういうふうな変化が出てくると、いい感じになっていく」「できるようになっていく子にはこういう特徴が見られる気がする」みたいなポイントを、教えてもらえないでしょうか。

(研究員・為田)